【創業100周年記念展】工芸キモノ野口
染めの野口とは・・・
工芸キモノ野口
工芸キモノ野口は、創業からおよそ300年の歴史を誇る京都の老舗呉服商です。享保18年(1733年)に初代金谷安部兵衛が京・油小路四条上ルにて呉服商を創業して以来、染めの技術を磨き続け、京友禅の世界で確固たる地位を築いています。
型友禅と野口の技術
「野口と言えば小紋」と称されるほど、型友禅の美しさには定評があります。使用する色の数だけ型紙を彫り、色を重ねていくこの技法では、職人たちの熟練した手仕事が欠かせません。かつては一つの柄に数百反もの追加注文が舞い込むほど人気を博しました。現在も、型友禅に手挿しや染疋田、絞り、刺繍などの技法を組み合わせ、新しい表現の可能性を探求しています。
丸や呉服店との絆
丸や呉服店との関係は初代の時代にさかのぼり、昭和30年代後半から特に深まりました。京都の御召の老舗として知られる矢代仁に預けられた「丸やコレクション」の中にも、祖父の手掛けた作品が多数保存されています。この時代を代表する意匠や技術は、現在も工芸キモノ野口のものづくりに受け継がれ、両者が築いた絆の深さを物語っています。
伝統と創造の融合
野口の染めには一目でそれとわかる独特の“らしさ”があります。それは、古典的な柄の本質や良さを見極め、現代の感覚と融合させることで生まれるものです。さらに、伝統の枠にとどまらず、新しいデザインに挑戦し続ける姿勢も野口の魅力の一つです。
歴史的な遺産と物づくり
明治初期に移築された旧野口家本宅には、歴代の当主が収集した小袖や裂地など、貴重な資料が数多く保存されています。これらをモチーフに、絞りや辻ヶ花染め、刺繍などを活かした染めを行い、時を超えた美を現代に伝えています。
人気ブランドとしての地位
「美しいキモノ」や「きものサロン」などのメディアで度々紹介されるなど、多くの女性ファンに愛されてきた工芸キモノ野口。江戸時代から続く伝統技術を守りながらも、時代と共に進化し、着物ファンの心を掴み続けています。
工芸キモノ野口が生み出すキモノは、長い歴史と深い技術、そして挑戦する精神が織りなす一枚一枚が、着る人に特別な感動を与えます。
この機会にその美しさと品質に、触れていただけたら幸いです。
