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色無地に世界でたった一つの縫紋|母と娘の振袖物語Vol.3

振袖は未婚女性の第一礼装なので紋の数は・・・

お嬢様がお母様と最初にご相談を受けた時に、色無地のご提案の一つに、背中にご自身の思いを込めた縫紋をお入れしてみてはいかがでしょうか?というご提案をさせていただきました。

正式には、振袖は第一礼装なので、五つ紋になります。

ご覧になった方もいらっしゃったと思いますが、伊調馨さんが、オリンピックでお召しになられた色無地の振袖には、五つの紋がついておりました。

どんな紋をつけたら、思い出に残る成人式になるかしら?

写真は日本和装Twitterより


実は以前にも、「お嬢様の成人式には無地の着物にしたい!」というご依頼があり、その時にお嬢様の大好きな果物を縫紋で入れさせていただいたことがありました。

その時も、後々、袖を短くして着ることも考え、一つ紋にさせていただいたのです。

お母様はもちろん、お嬢様にも大変喜んでいただいたので、今回もご提案させていただきました。

そして、振袖が染め上がってきた時に、色をご確認いただくまでに、どんな御紋をお付けになりたいか、ご提案いただくことになっておりました。

その時にお選びいただきましたのが、こちらのデイジーのお花です。

職人と相談して出来上がった振袖の縫い紋

とても愛らしいお花だったので、職人とも相談して、もう少し成人式のお嬢様らしいデザインにさせていただき、色も華やかにさせていただき、縫い紋を入れさせていただきました。


 

刺繍も色々と工夫してもらい、お嬢様だけの世界でたった一つの紋となりました。

 

ここまでの工程は、コロナ禍のため、来店は極力控えていただくようにし、ご相談にお出かけいただきました時と、お色をご確認いただいた時の2回のみで、あとは全てLINEを通してご確認いただいております。

 

次の工程に入る前に、袋帯をお決めいただきましたので、次回にご紹介したいと思います。

★次回はこちら
華やかな雰囲気をつくる袋帯選び|母と娘の振袖物語Vol.4

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。