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正絹の着物と帯のセット販売&着物仕立上がりが10万円以下とは・・・

着物を安くするための工夫とは・・・

1月に入ってから

「○○○で10万円以下の着物が、○○デパートの通販で見たのですが・・・」

「江戸小紋で紋も付いて、仕立上がり10万円を切るっていわれたのですが・・・」と画像付きでのご相談をいただきました。

 

キャッチフレーズに思わずうっとりしないではいられません!

私も思わず、どんな着物なのかしら???と、検索してしまいました!

 

訪問着は、柄が少なめではありますが、きちんと絵羽になっており、この価格は安いなあ~と思いました。


ご存知の方も多いと思いますが、着物は、反物(丸巻き状態のもの)、または、仮絵羽(着物みたいに仕立ててあるもの)を手縫いで仕立てます。

 

反物にも仮絵羽にも袷の場合には、裏地が必要で、反物の場合には、胴裏と八掛、仮絵羽には、胴裏が必要になります。

縫製は、国内での仕立と海外での仕立があり、一部ミシンを使っての仕立もあると聞いています。

裏地の値段の違いは、質であり、仕立の値段の違いは、仕立をする方の工賃の違いとなります。

裏地は、ポリエステルのものを使用、正絹でも価格の安いモノを使用することでコストを下げることができ、仕立は、海外に出すほうが安くなります。

表地が同じでも、裏地の質、仕立てる人によって値段と納期までの日数が違ってくるのです。

どれが良い、どれが悪いは、あくまでも主観であり、ご自身が判断するものであるため、ここでは触れませんが、裏地の違いで着心地の違いが変わり、耐久性も影響があるように思います。仕立の違いは、国内と海外では人件費の違い、国内では腕の違いに因るところもあります。

 

着物の価値をどこで判断しますか?

ご相談いただいたお客様とお話させていただいた中で、

「セットで10万円は、とても魅力的なのですが、組み合わせが決まっていて、これを着てお稽古にいく姿を想像してもテンションがあがらなかったんです・・・」

というお言葉をいただきました。

 

私は、着物の価値は値段だけで判断するものではないと思っています。お値段が安くても、「素敵な着物」と思うものもないわけではありません。

 

これも主観によるものなので、表現が難しいのですが、

「着ていて心がウキウキする」

「ずっと見ていても飽きない」

「長く大切にしたいと思う」

という気持ちがあるかどうかだと思うのです。


最近では、リサイクルショップで手軽に購入でき、飽きればすぐに売ってしまうかたもいらっしゃると聞きますが、着物は洋服と違って、着ていただける期間がとても長い衣服です。

10年後、20年後を見据えて選んでいただきたいと思っています。

そう思っていただける方には、心がウキウキする着物を選んで、大切に着ていただきたいと願っています。

着物の良さとは、いつまでも心をウキウキさせてくれる衣服であること。


着物でお悩みのかたは、いつでもご相談下さいね。
 

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。