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6月から9月にかけての結婚式での着こなし

先日、メールにてご相談をいただきました。

相談があるのですが、実は今週末に親族の結婚式があって、単の季節だからと母から紫地の紋付きの江戸小紋と呂の袋帯、金糸の綴れ帯が送られてきました。
義父のいとこの孫に当たる方が花婿で当人の父が主人の実家に学生時代に下宿していたので血縁が遠いのですが、親交が深い方です。合わせの留め袖を着た方がいいのか、紋付きの江戸小紋でもいいのか迷っています。
今時は結婚当人の近い血縁だけは留め袖だけれどそうでなければ失礼にならないとも聞きました。紋付きの江戸小紋に合わせるには呂の袋帯より金糸の綴れ帯の方が改まっているのでしょうか。
お手数ですがアドバイス頂けますか。

着こなしのアドバイス

ご相談のお着物ですが、袷にするか単衣にするか悩むところですね。

季節からいえば、当然単衣なのですが、留袖の方々、花嫁さんが袷の着物なので、それに合わせて袷にする方もいらっしゃいます。

昨年の海老蔵さんの結婚式を思い出していただくとわかるのですが、真央ちゃんのお姉さんは袷の振袖、お母様たちは、絽の留袖と親族でもバラバラなので・・・これという正解はないと思います。

今回、袷の留袖と単衣の江戸小紋でお悩みでしたら、江戸小紋をオススメします。
留袖は、色留袖でしたらよろしいかと思いますが、黒留袖ですと重みがありすぎ
るかと思います。

紋付の江戸小紋に合わせる帯は、留袖の皆様に合わせることを考えると、金糸の
綴帯でいかがでしょうか。お写真に残ることですし・・・まだ、6月なので大丈夫です。

ご参考になさって下さい。

着こなしについての追記

6月~9月の結婚式については、着物雑誌や呉服屋さんによっても意見はマチマチかと思います。アドバイスにも書かせていただきましたが、臨機応変でよいかと思います。

正式には、6月と9月は厚手の単衣の着物、7月と8月は薄手の単衣の着物と決っていますが、花嫁さんやご親族で夏の着物を揃えられていることは非常に稀です。

そのため、皆さんが袷の着物なのに、お一人だけ絽のお着物になると、せっかくの訪問着でもご親族の中では軽く感じてしまいます。なぜ、このようなことをお話するかというと、親族での記念写真があるからなのです。

これは、あくまで私の意見ですが、私自身、親族の結婚式が9月にあり、皆が袷の黒留袖を着ている中、一人、単衣の訪問着を着て列席したことがありました。呉服屋として、正式に則ったのですが、後日、親族の写真を見てがっかりしました。単衣なので重みがなく、貧弱に写っていたのです。このときから、夏の結婚式には親族の場合のみ、袷の着物を着ることにしました。

友人としては、また別です!友人の場合には、洋装での列席も多いはず。夏でしたら当然薄着での装いが多数ですから、正式に則って、6月と9月は厚手の単衣、7月と8月は薄手の単衣が、オススメです。あくまでも私の意見としてお聞き頂けたら嬉しいです!

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。