単帯と帯の単衣仕立ての違い

わかりにくい言い回し

昨日の続きで、今回は帯について少し触れてみたいと思います。
ご質問によく「単帯」「単仕立て」という言葉がでてきますが、はっきりとした区別がつきにくいようですね。私もご質問を読んでいるうちに頭がごちゃごちゃになってきてしまうので、ここで整理してみます。

まず、一番誤解されやすい「単帯」について。

「単帯」とは、裏や芯をつけない織りの帯をいいます。
袋名古屋帯と同じと誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、タレの部分を引き返さないので全体が単で、「手」と「タレ」の部分のみ薄く二重に織られています。かつては夏専用で博多織や綴帯などの厚地で固い織物が用いられていました。最近はめったにお目にかかれず、私も今までに1回くらいしか見たことがありません。


次に「単仕立て」について。
「単仕立て」は、帯芯を入れないでかがる仕立てのことをいいます。
袋名古屋帯(八寸帯:夏も同様)を仕立てるときの仕立て方です。
手先とお太鼓の部分だけをかがります。
(お太鼓部分は引き返して両脇をかがります→本かがり)
また、お太鼓の両脇をかがらない仕立て方もあり、トンネルかがりといいます。

どうぞ、ご参考になさってください。

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。