昔の丸帯はなぜ短いのか

丸帯が短い理由とは・・・

丸帯は、広幅地(約70cm)を二つ折りにして芯を入れて、 片方を縫い合わせて仕立てており、金糸、銀糸を織り込んだ唐錦の総模様(通し柄といいます)で地厚であるために「厚板」 とも呼ばれていました。


ご覧いただくとわかるのですが、表も裏も総模様で織られているのですから、持っただけでずっしりと重たく、一人では締めにくいです。
(もともとは、人に締めてもらう帯なのですから当たり前なのでしょうが・・・)


ちょっと余談ですが、丸やでも、このまま置いておいても締めないので、ご姉妹で2本にお分けになって仕立替える方も多くいらっしゃいます。


さてさて、ここでですが、丸帯はそのまま仕立替えても長さが短いためにそのまま結ぶと、京袋帯のように一重結びになってしまいます。
昔の人は、身長も小さかったからかしら・・・と思われるかもしれませんが、それにしても同じ体格でありながら、二重太鼓にはならないのはなぜ???と、結局締めないままにされている方もいらっしゃるのではないですか?


疑問はごもっとも。丸帯の長さは4メートル前後。
現在の袋帯は4メートル70センチ前後、普通に結んだのでは、短すぎて二重太鼓にならないのは当たり前です。

では、昔の人はどんな結び方をしていたのでしょうか・・・
下記のイラストご覧下さいませ~


表はピンク、裏はグリーンで描いてます。


普通の袋帯は、締め方も色々ですが、基本はこちらのようにたれ先から帯枕の位置を決めて、二重にしてから締めますよね。

 

丸帯の締め方

それに対して、昔の丸帯は、引き抜き結びで締めていたのです。


イラストをご覧になってもわかるように、たれの部分は、表も裏も一緒の柄なので、裏が表になっています。たれの長さを決めて、帯枕を入れれば完成・・・というわけです。

引き抜かない分、帯が短くても二重太鼓に結べるのですが、なかなか一人では結べませんよね。帯の長さがギリギリでも帯枕を乗せられれば結べるのです。


ちなみに袋帯は戦後に考案された帯なので、大正末期に生まれた名古屋帯よりも歴史はもっと浅いです。礼装用のお着物は、自分で着付けるものではなかったことが帯の歴史でも伺えますね。

 

丸帯を締まられる帯にするには・・・

丸やでは、現在、お仕立て替えの場合には、別布を足して、長くしてお仕立てさせていただいております。

お持ちの丸帯、生かしてみませんか?

ご相談をお待ちしております。