御召とは Vol.1

「御召」は、紬ではなく、小紋でもなく、どんな場面にどういう組み合わせで着て行ったらよいか迷ってしまう・・・
 
そんなご質問をいただくことが多くなってきました~
 
ちまたでは、御召とはいえないのに「御召」といっているものもあり、本当にこれでは、みなさまの頭が混乱してしまうなあ~と思う今日この頃。。。ここでしっかり御召について、何回かに分けてお伝えしますので、わからないことはいつでもご質問下さいね!
 
さて、私が最初に出会った御召は、19歳のとき、矢絣の御召でした~
 
父が、お店のお手伝いをするならば。。。と作ってくれた御召です。
 
この御召は、西陣・矢代仁さんの絣御召になります。
 
私は、この色が大好きで、この着物が大好きで、30代まで着ていました。
 
でも、30歳過ぎてからだと思いますが、母に「いい加減、派手になってきたから止めなさい!」といわれ、、とても思いいれがあったので、色を掛けて、トーンを落として、今でも愛用しています。
御召には、無地・縞・絣・紋・絵貫・縫取・風通と、7種類あり、織り方が同じ物もあれば、違うものもあり、多種多様あるため、とても説明が難しい織物になります。  
 
では、こんなに種類があるのに、御召ということばで括られるのは、この7種類の御召には、共通点があるからです。
 
それは、どの御召にも御召緯(ヌキ)という横糸が入っていることです。
 
御召緯とは、下記の工程を経てできた糸のことを指します。
 
生糸→下撚(糸繰=合糸=下撚m/200~300回)→精錬(ソーダ、石鹸等)→染→糊付(ふのり、姫糊)→糸繰→管巻き→八丁撚糸(m/2800~3000回)

こちらは、八丁撚糸を作る機械。
 
 
 
 
ここで作った糸は、左撚りと右撚りがあり、横糸として交互に入れることにより、布地が蒸しても撚れないようになっています。
 
 
 
 


 
 
もし、左だけとか、右だけしか使わないと、上記のように糸が縮んでしまい、布地にはなりません。
 
 
御召とは先染めの着物(糸を先に染めて織る)ですが、その中でもこの御召ヌキ(強撚糸)が入っているものを御召と呼びます。
 
 
御召の特徴であるシボは、この御召ヌキがあるからできるもの。。。
 
 
御召ヌキを使っていないものは、御召とは呼びません。。。
 
 
とはいえ、御召ヌキが使われているか使われていないか、なんてはっきりわからないですよね。。。
 
 
では、どこで見極めるか。。。

それは、残念ながら、御召を作られている老舗の問屋「矢代仁」他、御召の作り手の名前がわかるか、呉服屋さんを信じるしかありません。
 
 
詳しくは、こちらでご覧いただけます。

みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

 

日時:11月13日(金)~15日(日)11:00~18:00
会場:大塚文庫/東京都目黒区自由が丘3-6-25 TEL: 03-3718-4411
http://www2.odn.ne.jp/intermedia/
入場無料
※13日(金)11時~16時 1階茶室にてお抹茶をお楽しみください。

 

 
 

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。