帯締めを選ぶコツ

帯締めは着物の要(かなめ)

帯締めの始まりは、江戸末期。
当時人気のあった歌舞伎役者が着崩れを防ぐために帯びの上に紐を締めたことが始まりです。その姿がかっこよかったことから、女性の間で流行り、庶民に定着していったといわれています。

着物と帯は、数限りない日本の色を組み合せ、染めたり織られたりしています。
無地感覚で合せる方、柄同士で合せる方・・・とさまざま。

洋服では考えられない中間色の色や柄の組み合わせを楽しめるのも、着物の楽しみのひとつです。

そして、美しい色の着物と帯を調和させるのが、帯締めの役目です。
帯締めが着物の要といわれるのは、この役目を担っているからです。


江戸時代末期、帯締めが生まれたことで、どれほどオシャレのバリエーションが広がったでしょう。

こんなにも多色を組み合わせることができる日本人の色に対する感性は素晴らしいですね。
 

どんな帯締めが万能?

私たちは、数え切れないほどの色に囲まれているので、帯締めの選び方によって、着物姿の印象も雰囲気もガラッと変えることができるのだと思います。

その反面、帯締め選びで、見た目が、「いいなあ~」「ステキだなあ~」と思って買ってはみたものの、帯に合わせてみたら、「あれれ???なんか合わない・・・」
「色々と探してみても、この帯に合う帯締めがないのよね~」という経験はありませんか?

お持ちの帯締めで頻繁に使うもの。1年に1回使うかどうかのもの。
お気に入りの帯締めを頻繁に使っていたために、使えなくなり、同じような色を探しているのですが、なかなか見つからずに困っているもの。

帯締め選びの悩みはつきません。

私にとって、お気に入りの帯締めは、色々な帯に合せやすく、存在感のある色。
できるならば、どんな帯にも合う帯締めを選びたいといつも思っています。

 

最初に押さえておきたいことは、帯締めがアクセントになり得るかということ。

帯締めが単独で主張しているものは、アクセントとして活躍しやすいからです。

基本の色、暖色系(朱系・赤系・ピンク)、寒色系(緑系・青系)、黄色系・紫系・茶系の中で、まずは、暖色系と寒色系の2種類を選び、自分の持っている帯から色を見つける。同じ色目でも、自分年齢によって似合う色が違ってくるので、自分の直感を活かして下さいね。
 
文章にすると、難しくなってしまうかもしれませんが、持っている着物と帯でメインとなる共通の色を見つけ、暖色系・寒色系と揃えておくと良いと思います。
 
迷ったら、ご相談下さいね。

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。