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甦る昭和のトップモード御召~昭和の御召を復刻

昭和と令和の御召の違い

京都に預け、倉庫に眠ったままになっていた祖父の裂布コレクションを目にしたのは、約15年ほど前のことでした。その時は、ほんの一部を見ただけでしたが、それからしばらくして、約1700枚ほどあったコレクション、全てを見る機会に恵まれ、祖父の着物に対する情熱に打たれたのを覚えています。

コレクションの中から、御召を復刻することとなり、第1回目は、忠実に再現するに留まりましたが、昭和30年代の御召が、「古い」ものではなく、「モダン」であったことにご覧いただいたみなさまも驚かれていたことが印象的でした。

最初の復刻から、少しずつ、コレクションの中で、「今、やらなければもう復刻できない!」という御召を10種類ほど選び、復刻すること4回目。

昭和30年代の御召と現在の御召の違いも、よくわかるようになってきました。

こちらは、昭和時代の御召になります。
昭和30年代は、呉服の全盛期。

海外から、モダンな模様がたくさん入ってきており、どんどん着物の柄にして作られていました。そのため、どんどん新しいことを取り入れ、技術も進歩を遂げていたのです。
 

そしてこちらが現在製作中の御召です。
細かな部分にも色を入れて、織られています。
昭和30年代に制作された御召に更に手を加えたのですが、違いがわかるでしょうか・・・

それは、糸の細さにあります。
糸を細くすることで、細かい柄も表現ができ、厚みも軽減されています。
 

6月の展示会では、矢代仁のお宝の復刻御召もご覧いただけるよう、準備を進めています。
復刻御召をみなさまにご覧いただいてから10年を振り返って御召の歴史に触れていただけたら幸いです。
 

日時:2020年6月11日(木)~13日(土)
会場:銀座偉ビルギャラリー2階
 

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。