日本古来の行事や文化、伝統、風物など 日常の中にそこはかとなく感じる「和の心」を |
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---------------------------------------------------------------------- ◇◆◇[盆栽]◇◆◇ 昔、「盆栽」なんて、お年寄りの趣味のもの・・・と思っていませんでしたか? こんなにも、世界に愛好家がいるなんて・・・誰が想像したでしょう。 ---------------------------------------------------------------------- なぜだか、「盆栽」というとおじいさんの顔が浮かんでしまう・・・ いえいえ、そんなこと思っているなんて古いですよ! 今回は、世界の文化となった「盆栽」をお届けします。 盆栽は、中国で生まれたもの。中国では「盆景」という言葉で定義されていま す。(日本の盆景とは違うものです) 中国の文献には約 2000年前すでに表記されています。そこには、「昔は盆栽がと ても盛んで流派もいくつもあったが・・・今では廃れてしまった・・・」という 内容のことが書かれていたとのこと。それよりも前にすでに「盆栽」なるものが 存在していたことが伺えます。 近年、唐の高宗の第2子章懐(しょうかい)の子李賢の陵墓(西暦 704年造営) の中から発掘された壁画には、女官が盆栽を捧げ持つ姿が描かれています。この 壁画に描かれている「盆栽」は、唐の時代、宮廷や高官の間で器に草木を植え込 んだ「盆花」(盆景の古語)と見られています。この壁画の「盆花」がとても完成 されたものなので、「盆栽」発生から数百年は経過していると現在考えられていま す。また、この時代、文人の間では石の名品を愛でる「玩石(がんせき)」が流行、 北宋に入ると陶磁器の名品が盆景の鉢として用いられたのです。 中国の盆景を見ると、盆石が大きな部分を占めていることも納得ですね。 日本には 4世紀以降、遣隋使や遣唐使を通じて、中国から伝わったのではないか と考えられています。しかしこれはあくまで仮説であり、日本の資料として残っ ているのは、鎌倉時代前期に描かれた「西行物語絵巻」に登場する平安末期の絵 巻物の中の「盆栽」。その中に描かれている「盆栽」は、西行が旅立ち間近まで 身を寄せていた寺院の方丈(四畳半程度の大きさ)の前庭に、2本の角柱の上に 置かれた石付の樹木を配した大きな花台です。 また、鎌倉時代後期に描かれた「春日権現験記(かすがごんげんけんき)」には、 貴族の邸宅の様子が描かれ、庭の縁台に樹形、容器とも極めて進んだ様式の2鉢 の盆栽。鎌倉時代の盆栽の様子がよくわかりますね。 鎌倉時代、このように絵巻物に描かれた盆栽は、鎌倉幕府の禅宗の奨励が背景に あります。中国から高僧を招き、建長寺や円覚寺など五山を開山。渡来僧によっ て南宋の文人の間で盛んであった「盆景」が鎌倉にも持ち込まれ、公家や武人な どの支配階級に波及したのです。 この時代、まだ「盆栽」という言葉は誕生していません。 やがて、鎌倉幕府が衰退し、室町時代となると、世は乱れ始めるのですが、 3代 将軍足利義満の代になり世の中が落ち着きをみせると、禅宗の保護によって日本 文化の基調というべき「侘び、寂び」が確立。猿楽や能楽も誕生します。 その中の作に「鉢の木」という謡曲があります。鎌倉中期の執権北条時頼を謡っ たものですが、その謡曲で「枝をため葉を透かし・・・」といった様子が謡われ ているのです。背景の描写から地方の武士階級にまで「鉢木(盆栽)」が浸透して いたことが伺えます。 また、鎌倉時代とは異なり石がないこと、「徒然草」(鎌倉時代)でも「鉢に植え られる木」とあることから、「盆栽」の原点はこの辺りであったようです。 8代将軍義政の時代になると東山文化が花開き、朝廷に盆栽を献じたり・・・とか。 徐々に朝廷にも「盆栽」が浸透していったようです。 しかし、応仁の乱が始まると、戦国時代一色・・・いつしか「盆栽」も低迷とな ったのです。また、室町時代から茶の湯が注目され始め、床の間から「盆石や盆 山」が外され、いつしか人々の生活から消えゆく存在になっていったのです。 そんな「盆栽」が、再び登場するのは江戸時代です。徳川家康は花木を好み、場 内には「お花畑」まで作り、2代秀忠、3代家光も並外れた花好であり、ことに 家光は盆栽を好んだそうです。いつしか、将軍家のような特権階級だけでなく、 一般庶民にも流行始めた「盆栽」。 江戸時代末期には「盆栽」という言葉も使われるようになり、日本独自の「盆栽」 を楽しむようになっていったのでした。こうやって培われてきた「盆栽」は、昭 和 20年頃から海外の愛好家が急増。欧米でも大きな展覧会が開催し、近年ではヨ ーロッパを中心に盆栽の輸出も行われているとか。今ではヨーロッパを中心に愛 好家が急増&盆栽の輸出も盛んに行われています。 そして現在、「 BONSAI」は世界共通語。なんとイタリアでも盛んそうです。 いかがでしたか?駆け足でご紹介した「盆栽」。あの小さな空間の中に美意識がい っぱい詰まっているなんて・・・少し怖いですね〜。私には、まだまだ・・・時 間が必要なようです。
◇◆◇ [盆栽]といえば何を思い出しますか ◇◆◇ 「盆栽」といえば、我が家では、祖父でなく父でなく、妹の趣味。結婚してか ら、しばらくして「盆栽を始めたの〜」と一言。 しばらくの間、「盆栽」で有名な大宮の先までお稽古に通っておりました。 盆栽とは、鉢の意味の「盆」、鉢の中で育てられる植物の意味の「裁」。つまり、 植物を鉢に入れて育てるという意味の言葉。 でも、私たちが普段目にする「鉢植え」とは、ちょっと意味合いが違うようです。 普段使っている言葉「鉢植え」は、たまたま地に植えていないで鉢に植えてあり、 植物そのものの美しさを楽しむもの。そして「盆栽」は、地に植えて大きく育つ 植物をあえて鉢に植え、植物の持っている自然な美しさを保ちながら、それ以上 の美しさを引き出すために形成し鑑賞するものです。 鉢の上で繰り広げられる美意識の空間。日本独自となった「盆栽」は、日本人の 美意識をフルに活かして生まれたもの。日本人の気質にぴったりだったのかもし れませんね。今では世界に誇れる地位を築いた「盆栽」、いつまでもその美意識が 磨かれるような環境でありたい・・・と願うばかり。私は、まだまだ美意識の勉 強中ではありますが・・・いつかは挑戦し・・・と思っています。
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