日本古来の行事や文化、伝統、風物など 日常の中にそこはかとなく感じる「和の心」を |
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------------------------------------------------------------ ◇◆◇[初鰹]◇◆◇ この時期だから味わえる「初鰹」 やはり、初物は欠かせませんよね〜。 ---------------------------------------------------------------------- 初夏を迎え、そろそろ、魚屋さんでも並び始めた「初鰹」。 江戸っ子でなくても、初物を食べるときは嬉しものです。 今回は、どんな食べ方がお好き?「初鰹」をお届けします。 日本人が、鰹を食べ始めたのはいつ頃のことか・・・調べてみると意外に古く、 大和朝廷( 4世紀〜7世紀頃)の頃のこと。鰹の干物などの加工品を朝廷に献上し なくてはいけかったという記録が残っています。 その頃、干物のことを堅魚(かたうお)と言っていたことから、鰹(カツオ)と 呼ばれるようになったとか・・・よく、漢字を見てみれば、まさにその通り。 いやいや語源とは面白いものです。 さて、献上物として珍重された「鰹」でありますが、伊勢神宮でも社の上にある 丸太のことを「鰹木(当時、鰹を屋根の上で干したことから)」と称し、鰹節(干 鰹)は、神饌の一つとされ、また、室町時代には、信長が「鰹節」を「勝男武士」 といい、勝ち戦の祈願に使ったほどのもの。 (死ぬまで泳ぎ続けることを知っていたのかしら・・・) いずれも「鰹」を干したものではありますが、昔から大切な魚であったことは間 違いないようです。 そんな鰹も江戸時代に入ると、更に人気が高まります。特に「初鰹」の江戸っ子 人気は、大変なものでした。 「初鰹」とは、南の暖かい海に生まれ(鰹が2歳頃になってから)、 1月ごろ、フ ィリピン沖から黒潮に乗って、2〜3月に九州沖を北上、4月になると駿河湾沖 でイワシを食べ丸々太り、食べ頃となった5月になると静岡や千葉などの漁港で 水揚げされたもの。 江戸っ子は、「初物を食うと75日長生きする」とか言っては、ナス・キュウリな どなど初物食いに夢中になったとか・・・ その中でも「初鰹」に限っては、75日の10倍にあたる750日長生きすると いってもてはやされたのです。 長生きすることに通じることか・・・は疑問ですが、「初鰹」は、魚体が若く、さ っぱりとしていて食感がたまらなく、プリプリしているもの。江戸時代には、脂 の乗った「戻り鰹(秋の水揚げ)」よりも、さっぱりした魚が好まれていたといわ れています。確かに、今のように、コレステロールなど考える必要もない健康的 な食生活だったことは認めざるをえませんね。 もう一つ加えると、「初鰹」は、味わいのある魚と身が固く臭みのある魚とあり、 1本1本の当たりハズレの多い魚なので、ごまかしが利かず、目利きの難しい魚。 だからこそ、珍重されたのでしょうか? ともあれ、今でこそ、庶民の味方の「初鰹」も、江戸っ子人気のためか、値段に なって表れておりました。 「宵越しの金は持たない」職人気質な江戸っ子の見栄っ張りは、度々出される奢 多禁令(贅沢を禁止する令=初物を高く売ってはならぬ)に反し、何とかして周 りよりも早く、「初鰹」を手に入れようと資金づくりに頭をひねっていたとか。 「女房・娘を質に入れても・・・」といわれたほど。 といっても女房を一人、質に入れたくらいでは、到底買えない金額。 記録によれば、西暦 1812年3月25日(旧暦です)、魚河岸に入荷した「初鰹」の 数、 17本。そのうち、6本は将軍家献上、3本は料理屋の八百善、8本が魚屋の仕 入れとなり、仕入れた内の 1本を三代目中村歌右衛門が3両で買ったというので す。3両とは、下女奉公の娘、1年分の給金よりも高いもの(給金は、1両から 2両の間)。今で言うと、 10万円前後となりましょうか。 私には、とても考えられないことですが・・・ まあ、とにかく鮮度が命の「初鰹」。 本場鎌倉から大急ぎで江戸に運ばれ、厚切りの刺身として食すことが江戸っ子。 ただし、江戸っ子の意地なのか、全体が黄色くなるほど芥子(からし)を塗って、涙を流しながら食べたとか・・・ 本当に鮮度が大事だったのか・・・疑問が残るところです。 私なら・・・にんにくにアサツキかな〜・・・う〜ん、ショウガも捨てがたい! そう思いませんか?
◇◆◇ [初鰹]といえば何を思い出しますか ◇◆◇ 「初鰹」といえば、やはりこの句をおいてありませんね。 「目には青葉 山ホトトギス 初鰹」(山口素堂) 「目には青葉が美しく映り、山にはホトトギスが鳴いている。そうだ! いよいよ 「初鰹」を食べる季節がやってきた!」と江戸っ子は思って いたのでしょうね。 でも、この句をたたき台にこんな川柳もあったのです。 「目と耳はタダだが口は銭がいり」 江戸っ子の嘆きとも取れる川柳、実は 歌舞伎にも「初鰹」についての演目があり ます。 「梅雨小袖昔八丈(つ ゆこそでむかしはちじょう)」、通称「髪結新三(かみゆ いしんざ)」です。 この話は、西暦 1726年、大岡越前守に訴え出られた事件をもとに作ら れたもの。 話の内容は、「今日結納と知った材木屋の娘白子屋お熊は、 手代の忠七に一緒に 逃げてくれるように迫ります。これを聞いた長屋住ま いの出張理髪店、髪結新三 が手代忠七をそそのかし、駆け落ちさせるが、 お熊だけ軟禁して金をせびる」と いうヤクザ的な話。 「初鰹」の場面は、軟 禁した長屋。 お熊を軟禁して白子屋から金を取れるとふんだ新三が、いい 気分で朝湯帰りの浴 衣姿で登場。ちょうど、その時、「かっつお、かっつお〜 」と威勢良く叫ぶ魚売 りが通りかかり、気が大きくなった新三は、気前よく三 分(約5万円)で「初鰹」 を購入。そののち、「初鰹」は家主長兵衛に半分 取られてしまうのですが・・・ 余程、江戸っ子は「初鰹」が好きだったのですね。 季節感あふれる「初鰹」と、リズムあるやりとりが面白い話です。 詳しくは → http://www.kimono-maruya.com/mv/?49 今では、「かつお売り」はいませんが、威勢のよい魚屋さんの声が聞きたくなっ てきました・・・ね。買い物に出掛けますか、今日あたり、「初鰹」を買いに。
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