着物専門店「丸や呉服店」着物専門店「丸や呉服店」

12月1日(月)〜6日(土) 栗山工房・紬展

 

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◇◆◇[綴帯にまつわる話]◇◆◇

 「綴帯」を織り上げるまでに、何人の人が関わっているのでしょう。

 そして、その平均年齢は・・・???

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女性のあこがれの帯、「綴帯」。

今回は、前回に引き続き、いつまでもこの技術が受け継がれてほしい「綴帯」を

ご紹介します。

 さて、前回、「綴帯」の歴史についてご紹介しました。

忘れてしまったらチェック  → http://www.kimono-maruya.com/sample.htm

そして、綴帯には、手織り・機械織り・海外生産があることも・・・

その中で、国内生産の手織りの綴帯を「本綴帯」または、「爪掻本綴帯」と呼んで

います。

皆さんは、「爪掻」という言葉を聞いて、どんなことを連想しますか?

間違っても「耳掻き」・・・なんて連想しないで下さいね・・・

それにしても、「爪掻」とは、随分と変なネーミングですね。

なぜ、「爪」・・・なぜ、「掻き」・・・???

それは、「爪」に特徴があるからです。

綴帯を織る人は、みんなこんな爪をしています。

http://www.kimono-maruya.com/mv/?33

そう、爪の先が小さなノコギリのような爪。

すごいでしょ!

この爪で、緯糸(よこいと)を「掻く」のです。

「掻く」とは、経糸(たていと)に緯糸を通した時、緯糸を打ち込むことをいい

ます。

綴帯の模様部分は、「つるの恩返し」のように機をパタンパタンとしないので、緯

糸を通したら、「爪で掻く」ことになるのです。

でも、こんな爪していたら、何にもできないですよね〜

かつて、職人さんもそう思っていたのです。

だから、「爪」に変わるサックを作ってみました。つけ爪を作ってみました・・・

でも、ダメだったのです。

だって、爪から感じる感触が全くないのですもの。感触がなかったら、どのくら

い掻けばいいのか、検討がつきません。かねあいが見つかりません。

結果、風合いのある「綴帯」が織りあがってこないのです。

それだけ、職人の技術は微妙なもの。長年の経験から生まれた勘が必要なのです。

だから、この爪は、ご自身で、掻くのにちょうど良いように研ぎます。

これも仕事のひとつ。大事な仕事です。

さて、ここで、綴帯の工程を簡単にご紹介します。

何人の職人が必要なのか・・・数えて見てくださいね。

●綴帯を織る前にまず、下絵を描きます。工房によって違うようですが、下絵を

きっちりと細かい方眼紙のようなものに描く工房と、下絵だけを描いて職人に

任せる工房があります。

●綴帯に使用する糸を糸屋さんから仕入れます。柄の細かさなどによって太さを

選びます。

●機に経糸を準備します。手作業で行う「手整経」は、枠に巻いた経糸を経台と

いう道具を使って、帯を織るために必要な長さの糸と糸の数を順番に揃えてい

きます。経糸が途中で切れてしまっては大変。ここが肝心です。

●経糸が準備できたら、次は緯糸です。下絵に沿った色を選び、糸を染めていき

ます。微妙な色を出すためには、手染が一番。長年の経験でその色を出してい

くのです。

●染め上がった糸を管に巻いていきます。ボカシの部分は、2色の糸を2つに分

けてそれぞれを撚っていきます。

●さあ、準備万端。織り手の方にバトンタッチです。

という具合に、綴帯は織られていくのです。

何ひとつ欠けても作れなくなってしまう「綴帯」。

「海外で作ればいいのでは?」と思われるかもしれませんが・・・中国でも工賃

が上がれば、ベトナムや北朝鮮に流れてしまうとのこと。

繊細な技術が保たれるとはとてもいえない環境です。

そして、残念なことに現在、職人のほとんどの人が、60代。

後継者は、育てることができません。

やがて、細かい柄は、手織りで織ることができなくなることは判っています。

そして、日本では、文化は保護されないのが現状です。

今、私がお伝えできることは、「爪掻本綴帯」という帯が日本にあり、京都・西陣

で織られているということ。

心の記憶に留めていただけたら、嬉しいです。

 

◇◆◇ [綴帯]といえば何を思い出しますか ◇◆◇

 「綴帯」といえば、その道具にも気をつかっています。

その中で、今回は、 筬(おさ)と杼(ひ)についてお話します。

この2つの言葉、どちらもあまり耳にしない言葉ですね。

筬 とは、経糸の位置を整え、緯糸を打ち込むのに使う道具

筬  → http://www.kimono-maruya.com/mv/?34

杼とは、緯糸を巻いた管を装着して緯糸として織り込むときに使うもの。

 杼  → http://www.kimono-maruya.com/mv/?18

筬は、織る帯の種類によって、ひとつひとつ作られるもの。

西陣の織元は、嵯峨竹でつくったものでないと織りがうまくない・・・。

嵯峨竹の根の部分、2筋くらいまでを使い、約27の工程を踏んで作られた「竹

筬」は、弾力があり、絹の風合いを痛めずに織ることができるのです。

一枚一枚の羽は、 0.5ミリ〜0.05ミリの薄さ。

それを注文に応じ、厚さを変え、均一に削られていくという職人技。

そんな、織物の心臓部である筬は、戦後たった 1軒になり、今はもうありません。

現在、こだわっている工房は、今ある 筬を大切に使っています。それ以外は、ス

テンレスに変わってしまいました。

希望は、密かに信仰している「竹筬」の復活です。でも途絶えた技術の復活には、

かなりの労力と時間がかかるようです。

さて、もう一方の「 杼」といえば、帯の種類によって、職人によって、それぞれ

大きさも、先の角度も違うため、やはりひとつひとつ作られもの。

原料は、堅くて丈夫な九州の赤樫を使います。

(丈夫でないと、すり減ってしまうので)

現在、西陣には1軒のみ。ご夫婦で営まれています。

しかし、後継者はいません。

ですから、今、織り手は、一生分の杼を持っています。

自分に合った杼でなければ、いい物は織れないことを知っているからです。

多くの人々によって、支えられ、生きてきた西陣の職人たち。

ある日突然、姿を消す時代がやがて訪れるであろう街。

私たちが守るべきものは、何なのでしょうか・・・。

未来に残した大きな課題です。

 

 

 

 

 

   

   

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