日本古来の行事や文化、伝統、風物など 日常の中にそこはかとなく感じる「和の心」を |
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---------------------------------------------------------------------- ◇◆◇[綴帯にまつわる話]◇◆◇ 「綴帯」を織り上げるまでに、何人の人が関わっているのでしょう。 そして、その平均年齢は・・・??? ---------------------------------------------------------------------- 女性のあこがれの帯、「綴帯」。 今回は、前回に引き続き、いつまでもこの技術が受け継がれてほしい「綴帯」を ご紹介します。 さて、前回、「綴帯」の歴史についてご紹介しました。 忘れてしまったらチェック → http://www.kimono-maruya.com/sample.htm そして、綴帯には、手織り・機械織り・海外生産があることも・・・ その中で、国内生産の手織りの綴帯を「本綴帯」または、「爪掻本綴帯」と呼んで います。 皆さんは、「爪掻」という言葉を聞いて、どんなことを連想しますか? 間違っても「耳掻き」・・・なんて連想しないで下さいね・・・ それにしても、「爪掻」とは、随分と変なネーミングですね。 なぜ、「爪」・・・なぜ、「掻き」・・・??? それは、「爪」に特徴があるからです。 綴帯を織る人は、みんなこんな爪をしています。 http://www.kimono-maruya.com/mv/?33 そう、爪の先が小さなノコギリのような爪。 すごいでしょ! この爪で、緯糸(よこいと)を「掻く」のです。 「掻く」とは、経糸(たていと)に緯糸を通した時、緯糸を打ち込むことをいい ます。 綴帯の模様部分は、「つるの恩返し」のように機をパタンパタンとしないので、緯 糸を通したら、「爪で掻く」ことになるのです。 でも、こんな爪していたら、何にもできないですよね〜 かつて、職人さんもそう思っていたのです。 だから、「爪」に変わるサックを作ってみました。つけ爪を作ってみました・・・ でも、ダメだったのです。 だって、爪から感じる感触が全くないのですもの。感触がなかったら、どのくら い掻けばいいのか、検討がつきません。かねあいが見つかりません。 結果、風合いのある「綴帯」が織りあがってこないのです。 それだけ、職人の技術は微妙なもの。長年の経験から生まれた勘が必要なのです。 だから、この爪は、ご自身で、掻くのにちょうど良いように研ぎます。 これも仕事のひとつ。大事な仕事です。 さて、ここで、綴帯の工程を簡単にご紹介します。 何人の職人が必要なのか・・・数えて見てくださいね。 ●綴帯を織る前にまず、下絵を描きます。工房によって違うようですが、下絵を きっちりと細かい方眼紙のようなものに描く工房と、下絵だけを描いて職人に 任せる工房があります。 ●綴帯に使用する糸を糸屋さんから仕入れます。柄の細かさなどによって太さを 選びます。 ●機に経糸を準備します。手作業で行う「手整経」は、枠に巻いた経糸を経台と いう道具を使って、帯を織るために必要な長さの糸と糸の数を順番に揃えてい きます。経糸が途中で切れてしまっては大変。ここが肝心です。 ●経糸が準備できたら、次は緯糸です。下絵に沿った色を選び、糸を染めていき ます。微妙な色を出すためには、手染が一番。長年の経験でその色を出してい くのです。 ●染め上がった糸を管に巻いていきます。ボカシの部分は、2色の糸を2つに分 けてそれぞれを撚っていきます。 ●さあ、準備万端。織り手の方にバトンタッチです。 という具合に、綴帯は織られていくのです。 何ひとつ欠けても作れなくなってしまう「綴帯」。 「海外で作ればいいのでは?」と思われるかもしれませんが・・・中国でも工賃 が上がれば、ベトナムや北朝鮮に流れてしまうとのこと。 繊細な技術が保たれるとはとてもいえない環境です。 そして、残念なことに現在、職人のほとんどの人が、60代。 後継者は、育てることができません。 やがて、細かい柄は、手織りで織ることができなくなることは判っています。 そして、日本では、文化は保護されないのが現状です。 今、私がお伝えできることは、「爪掻本綴帯」という帯が日本にあり、京都・西陣 で織られているということ。 心の記憶に留めていただけたら、嬉しいです。
◇◆◇ [綴帯]といえば何を思い出しますか ◇◆◇ 「綴帯」といえば、その道具にも気をつかっています。 その中で、今回は、 筬(おさ)と杼(ひ)についてお話します。 この2つの言葉、どちらもあまり耳にしない言葉ですね。 筬 とは、経糸の位置を整え、緯糸を打ち込むのに使う道具 筬 → http://www.kimono-maruya.com/mv/?34 杼とは、緯糸を巻いた管を装着して緯糸として織り込むときに使うもの。 杼 → http://www.kimono-maruya.com/mv/?18 筬は、織る帯の種類によって、ひとつひとつ作られるもの。 西陣の織元は、嵯峨竹でつくったものでないと織りがうまくない・・・。 嵯峨竹の根の部分、2筋くらいまでを使い、約27の工程を踏んで作られた「竹 筬」は、弾力があり、絹の風合いを痛めずに織ることができるのです。 一枚一枚の羽は、 0.5ミリ〜0.05ミリの薄さ。 それを注文に応じ、厚さを変え、均一に削られていくという職人技。 そんな、織物の心臓部である筬は、戦後たった 1軒になり、今はもうありません。 現在、こだわっている工房は、今ある 筬を大切に使っています。それ以外は、ス テンレスに変わってしまいました。 希望は、密かに信仰している「竹筬」の復活です。でも途絶えた技術の復活には、 かなりの労力と時間がかかるようです。 さて、もう一方の「 杼」といえば、帯の種類によって、職人によって、それぞれ 大きさも、先の角度も違うため、やはりひとつひとつ作られもの。 原料は、堅くて丈夫な九州の赤樫を使います。 (丈夫でないと、すり減ってしまうので) 現在、西陣には1軒のみ。ご夫婦で営まれています。 しかし、後継者はいません。 ですから、今、織り手は、一生分の杼を持っています。 自分に合った杼でなければ、いい物は織れないことを知っているからです。 多くの人々によって、支えられ、生きてきた西陣の職人たち。 ある日突然、姿を消す時代がやがて訪れるであろう街。 私たちが守るべきものは、何なのでしょうか・・・。 未来に残した大きな課題です。
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