日本古来の行事や文化、伝統、風物など 日常の中にそこはかとなく感じる「和の心」を |
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---------------------------------------------------------------------- ◇◆◇[[礼装]]◇◆◇ 人生の節目に纏うもの 「礼装」と、「正装」の違いって何? ----------------------------------------------------------------------
時代の流れの中で、徐々に簡略化されていった「礼装」。 平成の「礼装」とは、どんなものをいうのでしょうか。 今回は、時代とともに変化する「礼装」をお届けします。
みなさんは、「礼装」というと、どんな服装が頭に浮かびますか? 男性であったら、モーニング・燕尾服・黒紋付き羽織袴、女性だったらドレス・ 黒留袖・振袖、・・・。 すぐ、頭に浮かびましたか? 最近、「礼装」なんて着ないなあ〜という方も少なくないと思います。 思い出せなかったら、画像でチェックしてみて下さいね。 http://yasuragian.sub.jp/kekkon/reisou/rei-1.htm
最初にご紹介した「礼装」は、今の時代の「礼装」です。 モーニングや燕尾服は、飛鳥時代や奈良時代には、存在しないもの。 「礼装」は、時代によって変わっていくようです。
人々が、衣服を纏うようになったのは、縄文時代(紀元前1万年〜紀元前3000 年)から。 古墳時代(西暦300年〜710年)には、すでに廷臣の衣服に関する規則が制 定されていました。 奈良時代(西暦710年〜794年)になると、中国(唐)の影響を受け、律令に 基づいて明確な法律「衣服令」(えぶくりょう)が定められました。 後に養老令(西暦718年)では、礼服(らいぶく)・朝服(ちょうぶく)・制 服(せいぶく)が定められたのです。
礼服は重儀(重要な儀式)に用いられるもの。 後には即位の大礼にのみ用いられ、明治天皇の父君孝明(こうめい)天皇の御 即位までこれが用いられたのです。 孝明天皇 → http://db.gakken.co.jp/jiten/ka/129160.htm 朝服は官吏の勤務服。これが発展して束帯(そくたい)や衣冠(いかん)にな りました。 束帯 → http://www.iz2.or.jp/fukusyoku/wayou/3.htm 衣冠 → http://www3.kitanet.ne.jp/~kimono/oume/kimono/14.html 制服は無位無冠の庶民が公事に従事する際の服。 色は黄色と決められ、この無位=黄色は明治まで引き継がれました。 奈良時代の律令が明治時代まで受け継がれていたとは驚きです。
平安時代(西暦794年〜1192年)になると、遣唐使が廃止(西暦894年) され、日本独特の衣服となり、色遣いも変わっていきました。 十二単が登場したのもこの時代です。 やがて、武家の時代となり、「礼装」は、武家を中心に変化していきました。 鎌倉・室町時代には、活動的な衣服となり、簡略化され、安土桃山時代には、 裃(かみしも)に長袴が登場。 時代劇でもよく見る姿が「礼装」となっていったのです。 この姿は、江戸時代まで続きました。 女性の「礼装」である「留袖」や「振袖」が登場したのも江戸時代です。 しかし、明治時代になると王政復興に伴い、儀式には、平安時代の束帯や十二 単が、再び「礼装」として復活をしたのです。 とはいえ、西欧の文化がどんどんと日本に雪崩れ込んできた時代、宮中や貴族 の間では、「礼装」が和装から洋装へと変わっていったのです。 お芝居でもよく見る「鹿鳴館」など、ダンスを踊っている姿は、時の「礼装」 を纏った人々。 もちろん、一般庶民にとっての「礼装」は、紋付きでしたが・・・。 昭和にはいり、戦争が終わりを告げると、西洋の文化が波となって日本を飲み 込んでいく時代と変化していきます。 伝統を守っている天皇家を除いては、儀式も簡略化され、「礼装」も簡略化さ れていったのです。
時代によって変化していった「礼装」。 人生の節目の「儀式」が、徐々に失われつつある時代だからこそ、今にあった 「礼装」を見つけたいですね。 「礼装」は、平服ではなく、冠婚葬祭など、公的、社会的な儀式に出席する際 の装いです。 そこには、和服には和服のマナー、洋装には洋装のマナーがあります。
ちょっと余談になりますが、こんな話しを聞いたことがありませんか? 日本では、当たり前と思っている結婚式の男性の「礼装」、黒のスーツに白の ネクタイ。 実は、欧米人は、「マフィアの会合?」と思っていることを。 そう、欧米では、白いネクタイは、「礼装」には着用しないのです。 日本で通用することが、海外では通用しないこともあるのですね。 マナーに縛られることもいいとはいえませんが、心得は必要なようです。 儀式とは、相手があってのこと。 儀式に参加するには、相手に失礼がないよう心がけることも大切です。 「礼装」は決して、「こうでなければならない」という服装ではありません。 その儀式がどんなもので、どんな服装をすればよいか、相手のことを思えば自 然と決まるものです。 人生は節目があるから、変化が生まれるのです。 そんな節目に身に纏う「礼装」。 人生の節目が、心に残る思い出になるように心がけていきたいですね。
◇◆◇ [[礼装]]といえば何を思い出しますか ◇◆◇
「礼装」といえば、冠婚葬祭を思い出します。 商売柄と申しましょうか、親戚や友人の結婚式、親戚や知り合いの葬儀には、 いつも着物を着ていますが、はてな?と思うことが時々あります。
それは、今まで「礼装」と思ってきたものが、変わっているということ。 小さい頃には、結婚式で、親族といったら「黒留袖」だったのに、最近では、 「色留袖」や洋装に変わっています。 葬儀では、お通夜は色紋付き、告別式には、喪服と言われていましたが、最近 は、お通夜もお葬式も喪服になってきています。 飛鳥時代から考えれば、変わっていくことも時代の流れでしょうが、ほんの何 年かの間の大きな変化。 大きな変化には、「礼装」の意味に、謎解きがあるようです。
「礼装」を辞書でひいてみると、「儀式に出るための正式な服装」とあります。 「なんだ、正装のこと?」と思ってはいけません。 実は、「礼装」と「正装」は違うのです。 「正装」を辞書でひいてみますね。 意味は、「儀式などのために改まった装いをすること」とあります。
簡単にいうと、「礼装」は、儀式に着る正式な服装、つまり、礼儀正しい服装 のこと、「正装」は、正式な服装、つまり、決まりどおりの服装のことをいう のです。 例えば、宝塚歌劇団の卒業式。 みなが揃って、「黒紋付きに緑の袴姿」ですね。 これは、宝塚歌劇団が決めた正服(=制服)ということ。 お相撲さんも、正式な場面で「回し」をしています。 これも正装にあたるのです。 「礼装」は、というと、結婚式に黒紋付き羽織袴姿があったり、モーニング姿 を見かけます。 結婚式には、これしか着てはいけないという決まりはなく、ある程度自由とい うことなのです。 これは、葬儀にもいえることです。
しかし、ここで注意することは、「ある程度」ということ。 「ある程度」とは、「相手に対するマナー」、相手に対する「敬意」とか「配慮」 を持って考えた服装だということです。 どんな人だって、葬儀に明るい色のものは着ないと思います。 結婚式に、ジーパンで出席も、あまり聞かないでしょう。 天皇や皇族が、儀式にお召しになる服装は、決められたものだからではなく、 その儀式の意味や歴史を知っているからこそ、敬意を払った服装をお召しにな っているのです。
時代によって考え方も変わり、背景も変わり、「礼装」も変わっていきます。 それは、当然のことであり、時代の流れなのでしょう。 でも、どんなに時代が変わっても、そこには相手に対する「敬意」「配慮」の 気持ちが必要であり、「相手に対する思いやりの心」が必要なのです。 いつまでも忘れてほしくない気持ちです。 儀式は、その儀式を行った人のためにあるものなのですから。 「礼装」は、相手に対するあなたの心の表れです。 節目、節目に纏う服、これからも大切にしていきたい心です。
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