●南部紫根染紫草(むらさき)の宿根を紫染に使うことから紫根という名称が付されたものですが、昔は奥羽地方一帯から関東地方、近江、大和、四国地方にまで、この紫草は栽培され広く染料として使われたものです。この南部紫染は、はじめ、“岩手紫”の名のもとに、遠く鎌倉時代、すでに天下に周知されていましたが、南部信直公の盛岡治城以後、代々国産として保護奨励され、南部紫と呼ばれるようになりました。またこの地方には南部茜染というのがありますが、前記南部紫の姉妹染として、共に昔からこの地方の特産とされてきたものです。南部紫と茜染は、いまでは岩手、秋田の地方のみに残っていますが、その染草としては、山野自生の紫草根または茜草根等を用い、きわめて煩雑な手数と永い日子を費やして染め出されています。南部紫と茜染は、色彩が沈着優雅で深味があり、かつその染むらに特徴ある美しさをもっており、昔から陰湿を駆り、疫癘を除く効があると言い伝えられています。現在では一般衣料地・帯地・夜具地・座布団地・クッション・ネクタイ・壁掛・染額・テーブルセンター・袋物類・など広く趣味的なものも生産されています。
●茜染 ●南部古代型染
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